公開: 2019年10月16日
更新: 2019年10月19日
ルーズベルト大統領がスターリンに対して、日ソ中立条約を破棄して日本との戦争に参加するように要求したのに対して、スターリンは、日本が支配していた南樺太と千島列島の領有を要求しました。後に、1945年2月のヤルタ会談で、ルーズベルト大統領はドイツ降伏4か月以内のソ連軍の日本軍への攻撃開始を条件に、南樺太と千島列島の領有を認めることを約束しました。
1945年4月にルーズベルト大統領が急死したため、その後任として大統領に就任したトルーマン大統領は、スターリンとの密約について知らされていませんでした。そのため、ドイツ降伏後のポツダムの会議では、ソ連の参戦は主たる議題ではありませんでした。チャーチル英国首相は、ソ連軍参戦前の原子爆弾投下で、ソ連の領土問題はなくなると理解していたようです。
結果として、1945年8月9日のソ連軍の一斉攻撃に始まる約1か月間の戦いで、南樺太と千島列島はソ連軍に占拠され、今日に至っています。特に、千島列島南端の4島は、日本側では「北方4島」と呼ばれており、地理的にも北海道に近いため、今でも日本の固有の領土であると考えられています。